哲学覚書

言語行為論用語の覚書

言語行為の分類

発語行為(locutionary act)

文法的な文を構成する行為。発話行為とも。

発語内行為(illocutionary act)

挨拶する、命名する、約束する、など、「何かを言うことによって何かを行なうこと」を発語内行為と言う。

発語媒介行為(perlocutionary act)

発語内行為の結果として達成される行為。「論ずることによって他人を説得する」「警告を与えることによって怖がらせる」「言葉をかけて励ます」など。

言語行為論とは

コトバンクより引用。

オースティンは、命題の真偽値(事実に対応するか、しないか)を問題にしてきた従来の言語観を批判し、言語の使用が同時に「命令」「依頼」といった行為の遂行であることを明らかにした。たとえば、「明日あなたと会うことを約束する」と発言することは、(一定の条件の下でなされた場合)たんなる事態の描写ではなく、「約束」という社会的行為を遂行することであるとされる。オースティンは当初、こうした行為遂行的発話performative utteranceと、事実を記述する事実確認的発話constative utteranceとを峻別していたが、やがて、あらゆる発話に遂行性と記述性が内包されていると考えるようになった。つまり、事実確認的な発話の局面も含め、言語使用者は発話によって、(1)発話行為(文法的に適切な文を構成する行為)、(2)発語内行為(発話において-in-発話行為とは別に遂行される行為)、(3)発語媒介行為(発話によって-by-相手の感情や行動に影響を与える行為)という三つの行為を遂行している、と分析したのである。たとえば、「君はそれをすることができない」という発話は、(1)「君はそれをすることができない」という文法的に適切な文を構成する行為、(2)「『君』がそれを行うことへの私の抗議」という発語内行為、(3)「『君』を制止する」「『君』を悩ませる」といった発語媒介行為、という三つの行為局面に分けて分析することができる。

2019年8月22日
2021年8月14日
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